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文法指導の本音

「文法って、いつ教えるの?」って聞かれたので、それについても徒然なるままに書き散らしてみます。

この辺はもう、いち常任幹事の個人的意見となってくるので、そのへん了解のうえ、お読み下さい。

「理想は、教えなくてすむこと!」

5ラウンドや、英語のシャワーや、クラシェンのインプット理論が目指すのは、「習うより、慣れろ」……この辺は、間違いないでしょう。

もちろん「ただの5周はナンセンスだ!」っていうALTたちもいましたし、「週4コマじゃあ、水の出の悪い安ホテル程度しかシャワーを浴びせられないよ!」とか「アメリカ南部に住むスペイン系の人は、放課後英語を使うチャンスがあったからでしょ!」とか、すぐに反証は見つかります。

それでも、あえて言うなら、「挑戦しない教員よりは、挑戦し続ける教員のほうが、最終的には高みにたどり着ける」と断言できます。

PDCAを繰り返しているならば。

「だからオール・イングリッシュなんだ!」

週4が多いか少ないかは別として、その時間を目一杯英語に慣れる時間にしてあげるために、今までになくオール・イングリッシュが叫ばれているのは間違いありません。「説明が通じないから無理!」と言う前に、通じさせるための手法を全力で検討すべきでしょう。これについては、また別の機会に議論できればと思っています。

「文法を日本語で説明しちゃだめなの?」

ここについてだけ、今日は話題にします。

オール・イングリッシュの普及担当者がよく言う説明に、「そういったご意見も承知していますので、絶対100%とは言いませんよ」といったニュアンスのものがあります。

つまり、日本語のほうが有効な場面が0ではない、と認めてはくれているのです。

しかし、それに甘えてしまうと結局「最初から最後まで日本語だった」という事態に陥ってしまうでしょうから、ここぞという伝家の宝刀だと思うほうがいいでしょう。2割を越したくはないところです。

「そもそも文法って教えるものなの?」

振り出しに戻ってきました。

十分な英語のシャワーが浴びせられるなら――それも既習事項に少しだけ新出事項を加えた適切なインプット(i+1)を与えられるのなら――学習者は放っておいても自ずと言語の意味やルールに気づいていくでしょう。しかし、オール・イングリッシュを敢行したところで週4コマで、その境地には至れるほど甘くはありません。だから『優秀なショートカットとしての文法』が有用なのです。そして、手を抜いて楽をするために文法を利用しているからには、そこは日本語でわかりやすくルール(答え)を提示してしまっていいと思っています。

「生徒自身にルールを類推させたい!」

同感です。

だから当然、生徒の前でデモトークをして、「s/heのときだけ、なんか音がついたよね?」みたいなことはやります。でも、すっごく時間をかけてやっと気づかせるくらいなら、とっとと答えを教えるほうがいいです。だって週4しかないんだから。その代わりに、使いこなす時間をあげよう。

「数レッスンまとめて教えてもいいじゃない!」

ラウンド制の授業の亜流とも言えますが、毎レッスン1ページ分だけ文法を教えるよりは、一気に数レッスン分の文法を俯瞰しておいて、「人称代名詞一覧」や「動詞の変化一覧」を完全習得した状態で各レッスンに入るのも、一つの手だと思ってます。文法についてすでに理解しているなら、そのページでは新出単語と内容理解だけに集中できますから。「類推させたいなら大量のシャワーをまず浴びせる」けど、「習得を加速させたいなら最初にまとめて理解を終えておく」のも作戦だと思います。

というわけで、なんだか思考実験みたいになりましたが、誰もが一度は疑問に思うことを色々と話題にできたと思います。偉そうに語ってますが、エビデンスというか実績としては、2年生に受けさせたGTECで、3年生の平均値を出せたことくらいです。

ぜひご意見、お待ちしています。

そして「自分も一家言ある!」「私のほうがデキる!」という方は、ぜひ英語部会に幹事として参戦してください。

世界に発信できる日本人を、一緒に育てていきましょう!

(文責:山田)

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