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5ラウンドシステムの功罪

部分的にラウンド制(3周)を導入して感じた点を上げてみます。

【メリット】

・誰が導入しても機械的に5回教科書をすることになるので、個人の指導力に関わりなく長期記憶を促すことができる

・4~5回目には慣れてきて、暗唱や発表といったアウトプットまでこぎつけられる可能性は高い

【デメリット】

・いくら教科書の内容が精選されているとはいえ、教科書のシチュエーションだけに特化してインプット・アウトプットを行っていると、それ以外の実践的な場面への応用が効かなくなる。4~5回めには暗唱から抜け出して単語を入れ替えての発表や作文をさせないと「クローズド」な知識にとどまってしまう。

・教科書の内容にも優先順位があるはずで、長文ページの単語や表現を完全習得することは実は求められていない。むしろ初見での速読力を鍛えるためには、既読の長文を5回もやるのは無駄が多い。長文ページについては重要単語や表現をのぞき、新しい読み物を+4回足したほうが、速読力(スキャニング・スキミング等)を鍛えることになるのではないか。盲目的に5回がいいのかどうかは、今後要検証。

・定期テストごとに1回というのは長期記憶的には妥当だが、2ヶ月で全ページをする場合あまりにも範囲が広すぎて「最初から習得を諦めてしまう」危険性はある。慣れによる習得を目指しているのは間違いないが、1~2回目については「重要度の高いもの」にフォーカスした訓練&出題が必要。短期記憶や中期記憶についての手立てがシステム的に確立されてないことを自覚して指導する必要あり。

文責:山田賢治

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